「つまんなーい」
授業をサボって、遠くを見つめる午後1時。
とにかくダルい。なんで勉強なんてしてるんだろうとか考えちゃうあたりもう駄目。
「自分がいなくったって時間は過ぎちゃうくせに」
正面の街並みを見つめてコトバを吐き出した。
「そんなことないよ〜?」
突然背後から返事が返ってきて。
驚いて、ばっと背後を振り向いた。
「! ジロ・・・ちゃん・・・」
屋上入り口の屋根の上。うつぶせに寝転がっている同じクラスのジロちゃん。毎回いろいろな所で眠っていて、なぜか探すのも起こすのも決まって自分。
そういえば今日は、ジロちゃんを探すどころか自分自身でいっぱいいっぱいだった。
「が起こしてくれなきゃ俺ずっと寝てるC〜」
ほら、時間が止まっちゃった。
そう言って、瞳を閉じたジロちゃん。
「ジロちゃん、眠り姫みたい」
「じゃあは王子〜?」
普通逆じゃん。
思わずジロ姫を想像して笑っちゃう。
さっきまでの荒んだ気持ちがすっと消えて一気に上機嫌。
現金なワタクシだこと。
瞳を瞑ったまま、楽しそうにジロちゃんが仰向けになって言った。
「俺、姫らしく王子のちゅうで目が覚めるの待ってるC〜」
じゃあ自分も王子らしくいってみようか。
眠り姫、私のくちづけで起きてくださいますか?
2006/6/23