決断
ラケシス
いつか書きたいフィンラケパラレル
「ラケシス。理解してやれとは言わないが、黙って送り出してやれ」
 ラケシスの髪を撫でながら、言い聞かせるようにゆっくりとエルトシャンは語る。
「ですけど、でも・・・お兄様!」
 俯いていたラケシスの顔がばっと上がる。その表情と瞳は、理解できずに理不尽に曇っていた。
「あいつは幼いが、中身はもう騎士なんだよ。俺も立場は違えど同じだから分かる。あいつにはすでに、誓うものが、目指すものが見えているんだ」
 フィンの心はすでにレンスターにあるのだろう。幼いながらも自分で選択した少年の決意を、エルトシャンは無碍になど出来はしなかった。おそらく父王もそうだったに違いない。
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2007/5/20
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