理想と現実
《貴方は男性の理想がとても高いようです。
 寂しがりな貴方にはいつも側にいてくれる献身的なタイプの男性が・・・》
 
 
 読んでいた雑誌にそんな診断が書いてあった。
 座っていたソファーにぽいっと雑誌を広げたまま置いて、しばし思案。

(まあ確かに理想は高い方かもだけど。
 そんな理想なタイプが簡単に身近に転がってるわけないじゃない?)
 
 うーんと唸り、ぱったっりとソファーに寝転がった。理想の相手と好きになる相手が必ずしも同じな訳ないじゃない。
 一瞬、飄々としたアイツを思い浮かべてしまって、慌てて思考を分散させる。
 
『ほら、理想からは程遠い』
 自分の奥で自分が苦笑しながら呟く。
 
 けど、だけど、それでも、
 
 
 
「現実って厳しいわ」
 
 
 
 
 好きなんだものしょうがない。
 
 
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2007/2/2
NiconicoPHP