これを狂気と呼ぶなら
乱菊の好きなモン全て、ボクは嫌いや。
なァ、知っとった?
 
 
乱菊の目に留まるもの全部消せたらええのに。
乱菊の好きになった物、全部壊せたらええのに。
乱菊が見るもんはボクだけならええのに。
 
乱菊はどんどん視野を広げていく。
それに比例していくかのように、つぼみが大輪の花を咲かせるように、乱菊はどんどん綺麗になっていく。
 
昔のようにボクだけを見つめてくれればええのに。
それは酷く自分勝手な独占欲。
でもな、こんな思うのは乱菊にだけや。
だからあんたの好きなモン全てボクは嫌いや。
どうやったらいつもボクの事だけを考えてくれるんやろなァ。
 
せやけど、とうとうボクは見つけた。
乱菊を留める方法を。答えは、すぐ傍にあったんや。
乱菊とボク自身が答えを最初から持ってたんや。
 
それはどえらく簡単な事実。
 
ボクには乱菊しかいないように、
乱菊にもボクしかいなかった、と云う事。
 
一番てっとり早いのは、乱菊の生の時間を止めることなのやろうけど、乱菊を潰すことなんてボクには出来へんから、この方法に決めた。
ボクは、【乱菊】という存在が消えるまで永遠に、乱菊の中で一番てっぺんにいたいから。
 
あんたの好きなモン全て、ボクは嫌いや。
だから乱菊が一等好いてるボク自身すら憎い。
ボクがいなくなれば、乱菊はボクだけのものになる。
 
ずっと考えててや?
ずっと想っててや?
ずっと好きでいてや。
ずっと憎んでいてや。
ずっとずっとずっと忘れさせへんで?
 
うんとうんと好きにさせて、愛させて、突き放して、傷つけて、でもその心は放してなんてやらへん。
 
これを狂気と呼ぶなら、呼べばいい。
ボクにとってはたった一つの大事な真実。
ボクは実行する。どんな手を使こうても必ず実行する。
 
おしまいに乱菊の手にかかって死ぬ。
それはなんて至福な瞬間なのやろう。
 
 
 
あんたの好きなモン全て、ボクは嫌いや。
なァ乱菊、知っとった?
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2006/8/23
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